チューリップ

僕達は様々なことを社会にお願いする。
企業に対してであったり地域や行政に向けてであったりする。
見えない人も見えにくい人も参加しやすい社会になって欲しい。
思いはいつも同じだ。
見える人と同じように「普通」に生きていきたい。
ただ何もかもが一気に解決するとは思っていない。
あきらめないということが大切なのだろう。
それぞれの人がそれぞれの立場を超えて理解が深まる時に社会は一歩前に進む。
社会が成熟していくとはそういうことだ。
僕自身も自分のことになれば欲が出る。
それをコントロールするのは難しいから、
50年先の後輩達がと考えるようにしている。
そうすればそんなに大きな間違いにはならないだろう。
今日も行政関係者に相談をするために市役所を訪ねた。
難しい案件だったが丁寧に話を聞いてくださった。
誠実さが伝わってきた。
解決したわけでも好転したわけでもなかったが、
感謝の思いで市役所を出た。
市役所の花壇にはチューリップがあった。
膨らみかけた蕾をそっと触った。
力強く感じた。
うれしくなった。
風はまだまだ冷たい。
でもきっといつか開く。
春がくる。
(2017年3月28日)