薄っぺらい責任感

4時半に起床して6時過ぎにはタクシーが迎えにくる。
7時ののぞみに乗車、品川で山手線に乗り換えて10時には高田馬場に着いている。
メンバーが揃い次第会議はスタート、
1時間弱の昼食休憩を挟んで16時半まで会議は続く。
同行援護という視覚障害者にとってとても大切な制度についての会議だ。
その議論の内容が国の施策に影響するから責任も大きい。
僕はそこの副会長という立場なのだが僕の能力を超えているのは間違いない。
引き受けた以上ちゃんとやりたいという気持ちだけはあるので必死で脳を回転させる。
我ながら健気な姿勢だと思う。
でも所詮力量が伴っていないので時間と共に頭の中にハテナマークが並んでいく。
早く退任しなければと思っているのだけれどそれもなかなか許してもらえない。
結局また今回も次の師走の会議の日程を確認して東京を離れた。
ただ人間はしんどさだけでは継続は無理だ。
東京でのこの会議での楽しみはお昼のカレーと帰りのお弁当だ。
カレー屋さんはいくらたっても日本語が上達しないインドの人がやっている。
ダルカレーと焼きたてのナン、最後にラッシーを飲めばもう上機嫌になってしまう。
たまには他の店と思ったりもするのだけれど結局この店に吸い込まれてしまう。
帰りののぞみで食べる浅草今半のすきやき弁当も自分へのご褒美だ。
これもいつも同じだ。
この昼食とお弁当がなかったらとっくに挫折していたかもしれない。
味覚が元気なうちはもう少し頑張れるかなと思ったりもする。
味覚に支えられた薄っぺらい責任感、僕によく似合う。
(2017年10月12日)