イチョウ

彼女は僕をイチョウの葉のじゅうたんの上に案内した。
ふんわりとしたジュータンだった。
僕は腰をおろしてイチョウの葉を触った。
真っ黄色が頭の中に広がった。
黄金色に近い真っ黄色だった。
喜んだ僕を確認した彼女は、
他の木々の色合いをも僕に伝えた。
静かな時間の流れの中で秋がのんびり微笑んだ。
支援学校の先生になりたいと彼女は夢を語った。
いい先生になるだろうなとなんとなく思った。
(2015年11月23日)