元日

新年明けましておめでとうございます。
僕は昨日十数年ぶりに買い物客でごった返す錦市場を歩きました。
いろいろなお店から聞こえる威勢のいい声や漂ってくる香りなどを楽しみました。
昼食は明治43年創業という権太呂という店で晦日そばをいただき、
それから麩屋町通りを北に上がってさわさわまで行きました。
さわさわは正月休みだったのですが、
カギを持っているので入ることができました。
そしてゆっくりとコーヒーを頂きました。
大切な友達を接待するための大晦日となりました。
友達と言っても会うのは初めてでした。
僕のエッセイを読んだことがきっかけになり、
それから僕達を応援してくださっているのです。
さわさわのごまを買ってくださったり、
サポータークラブに入ってくださったりしています。
そしてこのホームページも時々覗いてくださっているそうです。
年齢は僕より10歳くらい若い彼に手引きしてもらって歩きながら、
僕は幸せな時間の中にいました。
僕にとって彼は彼だけではなくて、
このホームページを覗いてくださっている皆様の代表のような気持でした。
目が見えなくなるというとんでもない出来事の中で、
僕はそれでも生きていこうとする自分といつも向かい合ってきたような気がします。
何故なのか今でも判りません。
ただ、人間同士のつながりが生きる力になり、
生きる力が希望を生み出していったのは間違いありません。
昨夜も例年と同じように白杖をきれいに拭きました。
一年の感謝を込めて拭きました。
こうして元気で新しい年を迎えられたということは、
僕が生きているというよりも、
生かしてくださる人達がいてくださるということだと思います。
僕の言葉に耳を傾けてくださる人達がいてくださるということ、
とっても幸せなことです。
心から感謝申し上げます。
そして今年もどうか宜しくお願い致します。
(2016年元日)