葵祭

団体の役員をやっているとそれに伴う活動が発生する。
年度始めのこの時期は毎週のようにあちこちで開催される総会に挨拶に出かける。
先々週は亀岡市だったし、その前は舞鶴市や宮津市に出かけた。
今日は左京視覚障害者協会の総会だった。
挨拶だけでなくその後の会議、懇親会にも参加した。
たくさんの仲間の人達とのやりとりの中で気づかされることも多いし、
何より僕自身の勉強の場所にもなっている。
最後まで出席して皆さんに感謝を伝えて会場を出た。
夕方には地元の駅での募金活動が予定されていたのだが、
少し時間もあったしタイミングも良かったので地下鉄を途中下車して葵祭を見学した。
様々な色合いの平安装束の老若男女が整然とゆっくりと歩いていた。
馬にまたがったり牛車に揺られながら通り過ぎていく人もいた。
風薫る緑の季節によく映える風景だった。
平和な空気が一面に漂っていた。
世界中から訪れた観光客もそこに溶け込んでいた。
肌の色が白い人も黒い人も、髪の毛がブロンドの人も目の色がブルーの人も、
日本語の人も英語の人も韓国語の人もフランス語の人も中国語の人も
何の違和感もなくそこに存在していた。
白杖を持った見えない僕もその一角にいた。
平和に感謝しその大切さを再確認したような気がした。
地元の駅まで帰り着いて、
熊本で被災された視覚障害者の方々へ届けるための募金活動に取り組んだ。
マイクを手に募金を呼びかけた。
たくさんの人達が募金してくださった。
熊本への募金活動だったのだが、
世界が平和であって欲しいと何故か心から願った。
(2016年5月15日)