シルバー割引

朝のバスの車内でFMを聴いていた。
音楽の合間などにいろいろな情報が発信されるのだが、
今朝はホテルのグルメランチの情報に興味を覚えた。
オードブルからデザートまで秋にふさわしいメニューだった。
ランチで5,500円、たまには自分へのご褒美にいいかなと思った。
最後にシルバーは500円引きという説明も付け加えられた。
僕がシルバーって何歳なのだろうと思ったのと60歳以上との説明がほぼ同時だった。
愕然とした。
自分をシルバーと思ったことはまだない。
割引好きの僕も行く気をなくした。
溜め息をつきながらバスを降りて仕事に向かった。
一日を終えて帰りのバスに乗車した。
結構込んでいた。
乗客の方が空いてる席を教えてくださって座った。
少し時間がかかってしまった。
運転手さんはバックミラーで一部始終を見ておられたのだろう。
僕が着席するタイミングでマイクでの放送が流れた。
「お兄さん、発車しますよ。」
僕は返事をした。
「大丈夫です。ありがとうございます。」
無意識にいつもより元気な快活な声になっていた。
まだまだシルバー割引は要りません!
でも、もう20年も自分の姿を見ていないので不安はあります。
(2017年9月17日)