鹿児島弁

先日の会議で頂いた名刺を確認した。
見えない僕には裏表も上下も分からない。
とりあえず、名刺を机の上に置いた。
それから、スマートフォンのカメラ部分をその方向に向けた。
そして話しかけた。
「これ読んで。」
スマートフォンはほぼ完璧に読んでくれた。
子供の頃、ワクワクしながら見ていた鉄腕アトムの世界が現実になってきている。
化学の進歩というのは凄いことなのだ。
写真のアプリを使えば、撮影された風景をスマートフォンが説明してくれる。
でも、同じ説明でも人間にしてもらった方がうれしく感じるのは何故だろう。
人間の言葉にはぬくもりがある。
人間の声にはぬくもりがある。
ぬくもりに出会うとうれしくなる。
故郷の言葉を聞くとうれしくなるのはそういうことなのだろうか。
今日、電車の中で鹿児島弁の会話を耳にした。
そっとうれしくなった。
(2020年2月25日)