夏が終わって

セミの声がいつ消えたのか気づかなかった。
確か先週はつくつくぼうしの鳴き声を聞いたような気がする。
それがいつの間にか消えていた。
そして秋の虫達が控え目に歌い始めた。
歌声に誘われるようにそよ風も吹き始めた。
冷気とまでは言わないが少し涼しくなったのは間違いない。
夏は大威張りでやってきたのに、秋はこっそりと忍び寄ってきている。
そしてこっそりと去っていくのだろう。
秋にはその緩やかさと短さがよく似合う。
僕の人生も今は秋なのかな。
物悲しい季節なのかな。
小さな秋、見つけながら生きていきたい。
見つめながら生きていきたい。
(2020年9月16日)