エール

元旦はサッカー天皇杯を楽しんだ。
今日は毎年恒例の箱根駅伝を応援した。
スポーツ観戦が好きなのだろう。
気がつけばラジオの実況中継に聞き入っている。
繰り広げられるドラマに胸が熱くなる。
目頭が熱くなることさえある。
僕と同じ病気の大学生が箱根を走っていることを知ったのは昨年だった。
夜盲の症状もあるらしいのでなんとなく目の状態は理解できる。
その中での大学生活、クラブ活動、練習でさえ大変なことが伺える。
親心みたいな感情が僕を突き動かす。
彼の力走に拍手を送りながらふと考える。
40歳の彼はどうなっているのだろう。
自分が失明した頃を重ねながら不安がよぎる。
その不安を同じ僕が打ち消す。
そして僕はそっと前を見つめてささやく。
「走り続けるんだ。エールがきっと君の人生を応援してくれる。僕自身の人生がそう
だったように。」
頂いたたくさんのエールに感謝をしながら生きていきたい。
ほんの少しでも誰かにエールを送れるような一年にしていきたい。
(2021年1月2日)