ウグイスさん

いつもの散歩道、久しぶりに歩いた。
雨の日、暑い日は散歩を控えているので最近は週に2回くらいのペースだ。
春に気づいた時と同じ場所でウグイスの鳴き声に気づいた。
あのウグイスさんだ。
僕はすぐに確信を持った。
そしてとってもうれしくなった。
春に出会った頃、ウグイスさんはまだ下手な鳴き方だった。
「ホー」があったりなかったり、「ケキョケキョ」だったりした。
それでも一生懸命に鳴いていた。
僕は「がんばれ、がんばれ。」
幾度も心の中でエールを送った。
立ち止って聞きながら、そっと声に出して応援した日もあった。
いつの間にこんなに上手になったのだろう。
「ホーホケキョ」だけではなかった。
谷渡りも交えながら、幾度も鳴いてくれた。
いや、楽しそうに歌ってくれた。
僕は立ち止って聞き入った。
「凄いね。よくがんばったね。」
白杖を脇にはさんでそっと拍手をした。
何か元気が出たような気がした。
何をという事ではないけれど、
僕も頑張らなくちゃと思った。
(2021年6月19日)