朝の始まり

早朝に目覚めるようになった。
年齢のせいだろう。
だいたい4時くらいには目が覚めてしまう。
その分一日が終わるのも早くなった。
22時くらいまでには睡魔に襲われてしまう。
なんとかもう少し遅くまで起きていて6時くらいに朝を迎えようと努力もしてみた。
結局、それは無駄な努力であることも自覚した。
あきらめるのは特異な性格なのでそれを受け入れている。
時々、2時台とかに目が覚めるとそれはさすがに悔しい。
ベッドの中で眠ったふりをすることにしている。
4時くらいになるとベッドから起きだしてトイレと洗面を済ます。
それからお湯を沸かしてコーヒーを飲む。
朝の空気を確かめながら飲むコーヒーはゆっくりと胃袋に浸み込む。
いい時間だ。
いつのまにかツクツクボウシの鳴き声が消えた。
虫の声が凪の日の波のように聞こえている。
その不思議な変化はまさに音楽だ。
近くの道路を走る車の音が少しずつ増えていく。
自転車やバイクの音も動き出す。
今日も一日が始まる。
おしゃべりを始めた小鳥の声でお日様が昇り始めたこともわかる。
世界中の人が幸せな一日でありますように。
僕の一日もそうでありますように。
コーヒーを飲み干して窓越しの朝の空を眺める。
(2021年9月21日)