ちょっとワクワクしながら目が覚める。
上着をはおってベランダに出る。
靴下をはいていない足がスリッパの中で泣きそうになっている。
それでもそのまま数歩進。
それからベランダの金属の平たい部分にそっと手を触れる。
自然と笑顔がこぼれる。
それから視線を遠くに向ける。
真っ白な世界がそこにある。
予想通りの朝だ。
急いで服を着替えて白杖をにぎって外に出る。
誰も見ていないだろうけど、郵便ポストを確認しに来たふりをする。
少しだけ周囲を歩く。
こんな年になって雪ではしゃぐのは恥ずかしい。
わきあがる幸せをなだめながらまたそっと歩く。
新雪のクッションを足の裏で感じながら歩く。
やっぱり雪が大好きなのだ。
雪景色で頭の中がいっぱいになる。
(2021年12月28日)