蝋梅

賀状やメールでたくさんの新年のご挨拶を頂いた。
昨年幾度も出会った人もいれば、この時期だけにお互いの健在を確認する人もいる。
それはそれぞれでいいと思う。
繋がっているということがうれしいことだ。
ある教え子から届いたメール、一年に一度のメールだ。
福祉施設で働いている彼女にはのんびりとしたお正月は縁がないのかもしれない。
彼女のような人達のお陰で施設で暮らす人達の生活、命が守られているのだ。
あらためて、そういう職業に携わる人達の働きに感謝したい。
メールの最後に彼女の家の庭先の蝋梅が膨らみ始めたと書いてあった。
透き通るような花弁でほんのりと香るらしい。
僕は蝋梅を見た記憶がない。
僕の鼻は鈍感なのか梅の香りにもあまり反応しない。
残念なことだ。
でもそのメールを読み終えて、やさしい香りが脳に広がるから不思議だ。
それを僕に届けようと思ってくれた彼女の気持ちもうれしい。
「では、仕事に行ってきまーす。」
結びの言葉には彼女の笑顔があった。
一年、元気で頑張ってくれますようにと心から願った。
(2023年1月7日)