プレゼント

例年この季節は時間に余裕がある。
いろいろな学校などが年度末に向かうからだろう。
ところが今年は少し事情が違った。
たまたま予定が集中してしまったのだ。
うれしい悲鳴ということになった。
やりたい活動を元気でやれるということはとても有難いことだ。
ただ気力と体力は必要だ。
勿論そこにはそれなりの自信があるからいろいろなオファをお引き受けしている。
ただやはり疲労は感じる。
今日は中学校で1時間目から6時間目までずっと通しでの授業だった。
不思議と途中で疲労を感じることはない。
まさに気力は充実しているからだろう。
帰路の電車の中などでふと疲労に気づく。
電車の手すりなどを持っている手がそれを感じる。
踏ん張っている足がそれを感じる。
座りたいという欲望が沸き上がる。
空席を見つけられない僕は立つしかない。
一つ間違えば、見えない自分を憐れむことにもなりかねない。
気持ちをごまかし欲望を抑える時が流れる。
今日の帰路は座席に座ることができた。
僕に気づいた乗客の方が空席に案内してくださったのだ。
日常この地下鉄の車内で座れることはほとんどない。
10回に1回もないだろう。
それがこのタイミングであるのだからまさに神様のプレゼントだ。
プレゼントは僕の心を幸せに導く。
エネルギーとなっていく。
確かに僕は今日の中学生にも伝えた。
「人間の社会はとても豊かです。
報道される悲しい事故や事件も確かに事実だけど、
あちこちで巡り合うやさしさもまた事実です。」
しばらくこのスケジュールが続く。
明日は京都の北部にある高校だ。
潮の香りも楽しみだ。
また笑顔で頑張れるな。
(2023年2月3日)