鹿児島県にある銀行の新採行員研修にお招き頂いた。
これから社会で活躍する若者達に直接メッセージを届けることができた。
時代が混沌としてきているのは間違いない。
いろいろな意味で未来が輝くように祈りを込めて話をした。
対面の研修なので4年ぶりだった。
会場を出る僕の心は満足していた。
コロナ禍の3年を超えて、再び機会をくださった関係者に心から感謝した。
終了後は鹿児島中央駅から正午前の新幹線に乗車した。
16時には新大阪に到着する。
4時間、車中でボォッとして過ごした。
まさに少年時代の回り道や寄り道のような記憶の旅路だった。
魂の道草の豊かさを満喫できた。
その中でふと思い出した。
18歳で故郷を離れる時、寝台列車だった。
新大阪で乗り換えて東京に向かったのだったと思う。
当時、新幹線は新大阪からだった。
新大阪までどれくらいの時間がかかっていたのだろう。
半日近くかかっていたのかもしれない。
ただ、その時間がとても豊かだったのは薄っすらと憶えている。
車窓から見えた山や海、そして街の景色、流れていった。
人生というレールのきしむ音を聞きながら今日まできたんだ。
ずっと生きてきた、いやこれたんだなと思ったら、それだけでうれしいと思った。
幸せだと思った。
目が見えないということが幸せに関係ないことを改めて確認した。
また明日から学校の新年度の仕事も始まる。
感謝して過ごしていきたい。
(2023年4月12日)