神様のサポート

福知山市で開催される講座は9時スタートだった。
僕は関係者と7時25分にJR嵯峨野線の丹波口駅の改札口で待ち合わせをした。
そこから車で高速を使えばギリギリセーフという計算だ。
6時過ぎに自宅を出発して、湖西線の電車で京都駅に向かう。
これは問題ない。
でも、限られた時間で京都駅の一番端にある嵯峨野線に乗り換えるのは無理だ。
朝の京都駅のラッシュは半端じゃない。
僕は毎朝その電車で通勤している同世代の男性に相談した。
幾度か駅で彼のサポートを受け、それで縁がつながったのだ。
朝のその時間の電車だったら、だいたいサポートを引き受けてくださる。
今週は月曜日に東京に言ったのだが、その時もサポートをしてくださった。
そして今日も引き受けてくださった。
今週は2回もサポートをお願いしたということになる。
予定の嵯峨野線の電車まで送ってもらって彼と別れた。
先が見えたと安堵したら疲労感を憶えた。
昨夜、東京から京都に帰ってきたのは21時を過ぎていたのだから無理もない。
12時間も経たないうちにもう動き始めていることに気づいた。
軽く深呼吸をして丹波口の駅で電車を降りた。
改札口に向かって歩き始めようとして愕然とした。
白杖でどこを触ってもガタガタで点字ブロックが分からない。
この駅は普段利用しないので構造もよく分かっていない。
「お手伝いしましょうか?」
途方に暮れようとした瞬間、サポートの声がした。
僕は点字ブロックが確認できなくて動けない状態だということを説明した。
彼女は改札口までのサポートを引き受けてくださった。
僕達は友達同士みたいに歩調を合わせておしゃべりしながら改札口へ向かった。
改札口で彼女と別れて関係者と合流した。
それから予定通りに車で福知山市に向かった。
9時数分前、無事会場に到着できた。
あのタイミングで声をかけてくださる人がいることをいつも不思議に思う。
神様が助けてくださっているのかもしれないと本気で思ってしまう。
本当に有難いことだ。
いろいろな人達に支えられて僕は生きている。
だからこそ、僕にできることは頑張ってやっていきたいと思う。
(2023年9月7日)