雪のバレンタイン

昨夜、遠方の友人から届いたメールには、
雪の予報と、雪の中での僕の移動への心配が綴られていた。
彼が心配してくれた通り、
朝、家を出たら、一面の銀世界だった。
僕はすべらないように、一歩一歩雪を踏みしめて歩いた。
バス停を探そうにも、点字ブロックが雪に埋もれて役にたたなかったが、
気づいた近所の人がサポートしてくださって、
予定のバスに乗車できた。
バスが桂駅に着いて、
ころばないように気合を入れて歩かなくてはと思った瞬間、
中年の男性が声をかけてくださった。
僕はいつもよりしっかりと、
彼の肘をつかんだ。
安心感がひろがった。
河原町で彼と別れて、
予定の女子中学校に向かった。
授業を終えて帰ろうとしたら、
「バレンタインだから。」
少女は照れくさそうに、
ハート型のチョコレートを2個、僕の手のひらに乗せた。
そうか、今日はそんな日だったんだな。
そんなイベントとは縁遠い世代になってしまった。
いや、世代のせいではなくて・・・。
でも、今日は遠方の友人からのメール、
桂駅でサポートしてくださった男性、
二人の男性のやさしさに触れたいい日だった。
うれしかった。
僕にとっては、やっぱり愛の日かな。
勿論、チョコレートを拒否しているわけではありません。
誤解のないように。
(2014年2月14日)