さくら号の中で

京都を出たのは月曜日だった。
翌日の火曜日から薩摩川内市での活動がスタートし、
土曜日までの5日間で9つの会場を回った。
小学校、中学校、看護専門学校、そして昨日の社会福祉協議会での講演、
小学生からおじいちゃん、おばあちゃんまでいろいろな世代の人達に話を聞いてもら
うことができた。
見えない世界を知ってもらうことができた。
きっとまた少し、
見える人も見えない人も見えにくい人も、
皆が笑顔で参加できる社会につながったと思う。
僕はこの活動を未来への種蒔きだと信じている。
この文章を僕は鹿児島から岡山に向かう新幹線の中で書いている。
今日は岡山での講演なのだ。
指定席は窓際の座席を確保したので、
隣の方の迷惑にもならずにのんびりできる。
時々、車窓から空を眺める。
秋の澄んだ空が広がっている。
新幹線がトンネルの中を通行中でも僕には青い空が見えている。
これってちょっと得なのかな。
隣の人に手伝ってもらって買ったホットコーヒーをすすりながら、
僕にとったら結構ゴージャスなひとときだ。
岡山にはそよ風の会の人達が待っていてくださって、
僕を講演会場までサポートしてくださる。
たくさんの人達に助けられながら、
僕は生きているのだ。
たくさんの人達に助けられるということは、
たくさんの「ありがとう」を言えるということ、
心が豊かになるのは当たり前なのだ。
見えた方がいいか、見えなくてもいいか、
勿論見えた方がいい。
でも、あきらめるということも人間の持つ力だ。
見えることはあきらめて、
幸せはあきらめないで、
生きていきたい。
もうすぐ、岡山到着、そろそろスタンバイです。
(2015年10月18日)