バターサンド

北海道の友達が送ってくれた六花亭のバターサンド、
僕の大好物だ。
一口かじると芳醇が口中に広がる。
それからゆっくりとコーヒーを飲む。
バターサンドの控えめな甘さをコーヒーのほろ苦さが伝えてくれる。
いやコーヒーのほろ苦さをバターサンドが教えてくれているのかもしれない。
とにかく絶妙のコンビネーションだ。
食べ終わってしばらく耳以外は休憩時間。
ラジオから流れるユーミンの音楽に身をゆだねる。
味覚がリセットされたところでまたかじる。
そしてまたコーヒーをすする。
単純な動作を繰り返しながら幸せな気持ちが膨らんでいく。
ふと中学校の生徒の質問を思い出した。
「目が見えないのにどうして明るいのですか?」
人間はきっといつも自分でありたいのだろう。
見えても見えなくても変わらない自分なのだ。
「目が見えない以外は普通のオッサンだからだよ。」
僕はそう答えて笑った。
(2016年11月3日)