新幹線の中で

講演を聞いてくださった人が他の人にも聞かせたいと思ってくださることがある。
そこには世代も性別も職業も関係はない。
ただ一人の人間としてのやさしさだけが連鎖していく。
不思議な連鎖だ。
ちっちゃなちっちゃなエネルギーが伝わっていく。
野を越え山を越え見知らぬ人に届いていく。
それがとってもささやかなのは知っている。
吹けば飛ぶような種類のものなのかもしれない。
でも僕は希望を持っている。
そのちっちゃなちっちゃなエネルギーは必ず未来に向かう。
何百年も先かもしれないが、
見える人と見えにくい人と見えない人が一緒に笑っている。
人間だからこそ創り上げられる未来だ。
考えただけでワクワクする。
いい年をしてって言われそうだけど、
今さら物わかりのいい賢者にもなれないだろう。
僕はこれでいいんだ。
今日も鹿児島の講演の帰りに新幹線の中でこれを書いている。
やさしさの連鎖は結局僕にまで届いた。
ちょっとお腹が空いた。
見えないからさっきのワゴンサービスを停めることはできなかった。
それでも僕はすっかり幸せ者になっている。
今日も出会ったやさしい人達、ありがとうございました!
(2017年9月7日)