点字の手紙

NPO法人ブライトミッションが町家カフェさわさわを運営している。
僕はその法人の理事長をやってはいるのだが、
多忙さに追われてなかなかさわさわに顔を出すことができていない。
申し訳ないという思いはいつもある。
それでもたまに顔を出すと職員さんもスタッフの人達も笑顔で迎えてくれる。
有難いことだと思う。
先日も久しぶりに顔を出した。
スタッフから、お客様が残していった点字の手紙を渡された。
小学生と中学生の兄弟からのものだった。
夏休みの一日、家族でさわさわに来てくれたらしい。
中学生の兄は小学校4年生の時に僕の福祉授業を受けた。
手紙にはその思い出が書いてあった。
その小学校へ来月行く予定が入っている。
今度はその弟と会うことになるようだ。
弟は点字で氏名を書いていた。
さわさわのスタッフに書き方を教えてもらったのだろう。
少年時代、僕は障害者の人との接点はなかった。
大人になっても健常者と障害者というようにどこかで区別をしてしまっていた。
出会う機会がなかったからだろう。
目が見えない僕とこうして普通に点字のやりとりができる少年達はどんな大人になっ
ていくのだろう。
いろんな人とコミュニケーションがとれれば人生は豊かになっていく。
心が広がっていく。
うらやましい気もする。
この秋もたくさんの子供達に出会う。
一緒に未来を語りたい。
(2018年8月25日)