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未来は日本語で

京都駅八条口の新幹線中央口が待ち合わせ場所だった。
桂から阪急に乗り、四条で地下鉄に乗り換えて京都駅に向かった。
京都駅ではホームを北から南へ移動した。
この駅はホーム柵があるから安心だ。
ただ人は多いからゆっくりと歩かなければいけない。
キャスター付きの大きなバッグを押しながら歩いている人も多い。
旅行客は突然方向転換をしたりするからそれにも気を配らなければいけない。
外国人の中には白杖や点字ブロックの意味を知らない人もいる。
自国でまだそういう文化がないということだ。
そしてスマートフォンを見ながら歩いている人もいる。
前方をあまり見ないで歩いているのだからやっかいだ。
便利な道具を否定はしないがマナーも欲しい。
慎重に歩いて、改札を出て階段を上った。
在来線の改札口の改札機の音が右から聞こえてきた。
僕の頭の中の地図と合致している。
それからまた歩いてコーヒーの香りもしてきた。
確か近くにスターバックスがあったんだったかな。
新幹線東改札口を過ぎてしばらく歩いたところで白杖が点字ブロックを見失った。
あまりの人の多さでルートから外れてしまったのだ。
再度点字ブロックを探そうとしたが見つからなかった。
たくさんの人が歩いているから白杖をあまり大きく動かせない。
振り幅を小さくして見つけようと試みたが見つからない。
その瞬間だった。
誰かがそっと僕の白杖の下の部分を持って斜め右50センチくらい前に動かした。
そこには点字ブロックがあった。
「This way please!」
外国の女性だった。
英語能力の低い僕にもしっかりと伝わった。
動きも言葉も洗練されていたということだ。
かっこいいと思った。
「Thank you!」
僕はしっかりと感謝を伝えてまた歩き出した。
未来はきっとこういうシーンが増えていくのだろう。
いろいろな立場の人達が行きかい、
いろいろな国の人達が声をかけてくださる。
でもやっぱり、日本語の声が多くあって欲しいな。
(2018年11月22日)