地方都市

彼と知り合ってからもう10年以上の時間が流れた。
僕の方が少しだけ年上だ。
居住地も仕事も環境は何もかもが違う。
同じなのは同じ病気で同じように失明したということだけだ。
彼の地本で視覚障害者の移動とボランティアというテーマで研修会が開催された。
その講師ということで僕を招いてくれたのだ。
参加者は20人程度だった。
知名度の低い僕ではそんなに人は集まらない。
申し訳ない気もあったが、彼はその数にも満足していた。
白杖の人を見かけることは少ないという地方の都市ではそれが現実だった。
参加者の中にはガイドヘルパーさんもおられたし、ボランティアの方もおられた。
当事者もおられた。
5人の女子高校生が明るく華を添えてくれた。
その存在だけで会場は明るくなった。
「未来につながりましたね。」
別れ際に僕と彼は堅い握手を交わした。
時々、こうして京都以外の地域に出かけることがある。
当事者の研修会、教育や福祉関係者の勉強会、学校や企業など様々だ。
出かける度に、僕が暮らしている京都が進んでいる場所であることを実感する。
感謝の思いになる。
日本中が京都のように、いやもっともっと、皆が暮らしやすい社会になって欲しいと
強く思う。
僕にできる活動をコツコツと続けていきたい。
ささやかでも続けていけば、それは力となる。
1から始まったホームページのアクセスが80万を超えた。
きっといろいろな地域の皆様が覗いてくださっているのだろう。
一緒に未来に向かいましょう。
宜しくお願い致します。
(2019年11月4日)