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雪ウサギ

グーグルホームの目覚ましの音で目が覚めた。
「OKグーグル、目覚ましとめて。」
僕はベッドの中から声を出した。
それからいつものようにぼぉっとしながら起き上がるための小さな勇気を探した。
特に寒い冬はなかなかベッドから出れない。
幾度も現在時刻をグーグルに尋ねながらの朝の始まりだ。
そしてふと気づいた。
いつもと違う静寂だ。
「雪が積もっている!」
僕は確信した。
そして飛び起きた。
上着を羽織ってベランダに出た。
それからベランダの手すりにそっと手を触れた。
人差し指がうっすらと積もっている雪を感じた。
僕は幾度も指を動かして雪を感じた。
うれしくなった。
ほんのわずかな時間の中で、
子供の頃に作った雪ウサギの映像が蘇った。
木の葉で耳を作った。
赤い目玉はナンテンの実だっただろうか。
誰が創り方を教えてくれたのだろう。
父ちゃんだったのだろうか母ちゃんだったのだろうか。
雪ウサギの向こう側に父ちゃんと母ちゃんの顔を思い出した。
やっぱり僕は雪が大好きだ。
(2020年2月10日)