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列車

9時半過ぎには、京都ライトハウスに着いた。
10時から17時半まで、四つの会議に、連続して参加した。
どの会議の会場も、エネルギーが満ちていた。
老若男女、京都府下、各地からの参加だった。
生まれも育ちも、仕事も居住地も、支持政党も、宗教も、趣味も特技も、皆バラ
バラ。
勿論、応援している球団もバラバラ。
全盲、弱視、先天盲、中途失明、そういう違いはあっても、
共通しているのは、皆、目が不自由ということだ。
時には、激しい議論もするし、考え方がぶつかることもあるが、
お互いを尊重し、認め合う姿勢は揺るがない。
同じ時代に、この京都から、同じ目的地に向かう列車に乗り込んだ仲間なのだろ
う。
まだ、点字ブロックも音響信号もなかった50年前に、
先輩達は、この列車で走り始めた。
その先輩達は、皆下車して、夢だけは残った。
見えても、見えなくても、見えにくくても、
一人の人間として、笑顔で参加できる社会が訪れますように。
列車は、加速しながら、未来という目的地に向かって、しっかりと走り続けてい
る。
疲れた身体を吊革に預けながら、
今日の充実感が、僕を支配した。
この列車に、仲間達と一緒に乗れたこと、
僕にとっては、人生の幸せのひとつとなった。
(2012年8月12日)