会話

視覚障害者関係の会議に出席するためにライトハウスまで出かけた。
バス、阪急、バスと乗り継いで1時間20分くらいはかかる。
天気予報、コロナの状況、いろいろ考えるとどうしてもお尻は重たくなる。
こういう活動は手弁当が原則なのでお財布も軽くなってしまう。
なかなか厳しい現実だ。
それでも結局は出かけるということは使命感のせいなのだと思う。
自分のためだったら辞めてしまうだろう。
仲間や後輩のためになるのかもしれないという思いがエネルギーになるのだ。
自分自身を冷静に見つめると情けないほど欠点が多い。
恥ずかしくなる。
それでもこの使命感の部分だけは自分のことを好きだと想える。
微かな薄っぺらいものかもしれないけれどそう想える。
会議の前にライトハウスの近くのコンビニにペットボトルを買いに行った。
買い物を済ませてコンビニを出て少し歩いたところで呼び止められた。
以前専門学校で一緒に仕事をしていた先輩の先生だった。
先生はとってもうれしそうに話された。
失敗して遠回りのバスに乗ってしまわれたらしい。
乗り換えのためにライトハウスのバス停で降車したら僕を見つけたとのことだった。
失敗してもいいことはあるんだとおっしゃった。
そんな大層なことではないと思うけれど再会はうれしかった。
お互いにまだまだ元気で頑張りましょうと誓い合って別れた。
ライトハウスに向かう足取りが軽くなっているのを感じた。
人が人と出会う、人間同士が会話する、それはとても大切なことなのだと感じた。
(2021年8月25日)