パイプオルガン

京田辺にある同志社女子大学にお招き頂いた。
新島記念講堂チャペルでの礼拝での講演だ。
毎日の祈りの時間の中でのひとときだ。
今出川の栄光館での取り組みと同じだ。
僕のような凡人には不似合いなのかもしれないという自覚も少しはある。
それでもこの場所とこの機会が大好きだ。
僕自身の心が静まりほんのりとやさしくなる。
不思議な空間だ。
その理由のひとつにパイプオルガンの音色があるような気がする。
ここのパイプオルガンのパイプ数は3千本を超えているらしい。
僕の想像力を超えてしまっていて、その姿は実感には結びつかない。
ただ、その重圧であたたかな音色が身体全体を包んでいくのは不思議な事実だ。
血流にまで溶け込んでいくのかもしれない。
音が空から降りてくるという感じだ。
「12月ですから、少しクリスマスの雰囲気をアレンジしましたよ。」
オルガニストの先生が微笑んで教えてくださった。
元々の音楽にも讃美歌にも疎い僕はその意味さえあまり分かってはいない。
でもその一言で幸せの度合いが増したのは間違いなかった。
いつかゆっくりこの音色のコンサートを聞いてみたいと思いながら学校を後にした。
(2021年12月4日)