爽やかな朝を迎えた。
小さな願いがかなった朝だった。
寝る前に神様にお願いした。
「夢の中で空を見させてください。」
時々お願いする。
空だけじゃない。
忘れかけた花の色だったり友人の顔だったり昔訪れた街の風景だったり・・・。
どうしても見たいという気持ちが強い時にお願いする。
ないものねだりみたいなものかもしれない。
布団に入って眠る前にお願いするのだ。
合掌してお願いしているからこれも変なのかもしれない。
こんな年齢になって神様にお願いするなんてとは思うが時々する。
ほんのたまに神様は願いをかなえてくださるのだ。
昨夜は神様が奮発してくださった。
真っ青な空を鳥のように飛んでいる夢を見たのだ。
たまに雲の中に入ったりもしたが、それも楽しかった。
本当に美しい空だった。
薄い透き通るような青色だった。
夢に出てくるのだからいつか見たことがある空なのかもしれない。
だとしたらそれも幸せなことだ。
僕は両手を羽ばたかせるようにして大空を進んだ。
うれしくてうれしくて飛んでいた。
ふと下を見たら地球が見えた。
そこで夢は終わった。
夢らしい夢だった。
夢でもいい。
美しい青色を見れたことがうれしい。
神様にありがとうございますと伝えた。
(2023年6月27日)