同行援護養成研修

広島県尾道市での同行援護養成研修、二日目の朝は土砂降りの雨だった。
お隣の岡山県では大雨警報も出たらしかった。
警報が出れば戸外での実習を中止しなければいけない。
祈るような気持ちで朝のコーヒータイムを過ごした。
9時前、受講生の皆さんが続々と到着された。
雨は止まなかったが小降りにはなっていた。
簡単なオリエンテーションを済ませて僕達は出発した。
受講生は二人一組で外を歩く。
一人はアイマスクを装着して視覚障害者役だ。
ガイドヘルパー役の人の肘を持って歩く。
あちこちにある段差を伝え、坂道を上り下りし、右折したり左折したりしながら道を
歩く。
横断歩道も渡るし、階段やエスカレーターにも挑戦だ。
傘を指して水たまりをよけながらなので普通よりハードルも高い。
視覚障害者役の人の安全を確保しながら不安を与えないようにしなければいけない。
最後の決め手は信頼関係だ。
人間同士の絆ということになる。
食堂ではメニューを代読し、運ばれてきた料理の説明にもチャレンジした。
ショッピングセンターでは買い物支援の体験もした。
研修会場に帰り着いた時には皆さんヘトヘトだったと思う。
それぞれに感想を聞いてみた。
受講生はいろいろな気づきや発見を発表してくださった。
それぞれの発言には充実感みたいなものも感じられた。
そしてそれを皆で共有することで学びが深まっていった。
僕はこの時間が好きだ。
僕は講師であるけれども、皆さんのいろいろな気づきに教えられていることが多いの
だ。
誰かの力になりたい。
誰かに寄り添ってあげたい。
そう思う人が集う空間にはぬくもりがある。
やさしい時間が流れる。
こういう人達がおられて見えない見えにくい僕達の暮らしが存在する。
受講してくださった皆さんに心から感謝した。
(2024年5月29日)