英国パビリオン

大阪・関西万博がスタートした。
僕は英国パビリオンのコンサルタントとして少し準備に関わった。
英国在住の日本語通訳の専門家が僕を推薦してくださったのだ。
彼女は僕の著書を読んだ経験を持っておられて、僕を思い出してくださったのだ。
こういうことを奇跡と言うのだろう。
幸運の奇跡だったと思う。
ロンドンとのzoom会議は彼女が通訳をしてくださった。
やりとりしたメールは100通を超えた。
事前のやりとりだけではなく、夢洲の英国パビリオンに足を運んでの確認なども実施
した。
開会式前日にはスタッフ研修にも関わった。
英国のアクセシビリティアドバイザーのシェリーさんとは一緒に仕事をした。
彼女は会場内の僕の移動のサポートも問題なくやってくれた。
英国に全盲の友人がいるとのことだった。
彼女は日本に滞在している期間のオフの日に京都を訪れて迷子になって大変だったと
いう話をしてくれた。
日本での最後の仕事が終わったら、奈良を訪ねてから帰国の予定とのことだった。
「奈良公園にはたくさんの鹿がいて、目を合わすと噛まれるかもしれないよ。」
アクセシビリティについて本気で語り合ったし、そんな冗談も話した。
僕は彼女と別れた後、感謝のメールを送っておいた。
機械翻訳でなんとかなるのだ。
彼女から返信があった。

シェリーです。
日本滞在はこれで最後です。
信じられないかもしれませんが、最近の不運にも関わらず(!)、
奈良で野生の鹿から生き延びることができました。
鹿と目を合わせないようにし、他の観光客を巧みに自分と狂った獣の間に配置しまし
た。
最近の出来事にも関わらず、今回は駅員の助けも借りずに、問題なく奈良駅から脱出
することができました!!
ノブヤさん、メールを本当にありがとうございます。
今までに受け取った中で最も美しいメールだと思いますし、私にとってとても意味の
あるものです。
私たちは「すべての人にアクセシビリティを」という共通の目標を持つ似たような精
神を持っているように感じます。
一緒に仕事ができてとても嬉しく、貴方に会って話をすることができて光栄でした。
また EXPO に戻ってきたいです。
そうなったら必ず連絡します。
京都で一緒に時間を過ごせたら嬉しいです。
京都駅以外にも案内してもらえたらもっと嬉しいです!
連絡を取り合いましょう。
何らかの形で一緒に仕事ができて、世界中のアクセシビリティの取り組みを繋げて、
障壁をなくし、生活を変えられたら素晴らしいと思います。
心からお祈りしています
シェリーより

「いのち輝く未来社会のデザイン」。
大阪・関西万博のテーマだ。
世界中のいのちが大切にされる地球であって欲しい。
いのちが大切にされるということは、自分自身も他の人も、同じように大切にされる
ということだ。
「ともに未来をつくろう」
英国パビリオンのテーマだ。
目を見開いて、未来を見つめよう。
小さな僕にできる小さなこと、しっかりとやっていこう。
世界中の人が小さなことをしっかりやっていけば、それはいつか大きな力となる。
(2025年4月14日)