紫陽花

庭の紫陽花が今年もピンクの花を咲かせてくれた。
土壌の性質でピンクになったりブルーになったりするらしいが僕はどちらも好きだ。
雨がよく似合う。
どうして似合うと思うようになったのだろう。
いろいろ思い巡らすが答えは出ない。
僕が花弁と思っている部分は額に当たるらしいが、そんなことにあまり興味はない。
雨に濡れた花弁をそっと触る。
こんな時、もう見ることのない色をとても愛おしく思う。
脳を集中させてイメージした色を思い出そうとする。
一瞬、その色を思い出したような気になる。
一瞬の色が一瞬で消える。
切なさが雨に似合う。
僕が生きていくということ、それはあきらめ続けるということなのかもしれない。
紫陽花の花、やっぱり好きだ。
(2025年6月24日)