一匹の虫

夜の中で一匹だけ鳴いている虫に気付いた。
一生懸命に鳴いている。
まだ夜明けまでにはだいぶ時間がある。
時間を間違えたのだろうか。
だとしたらおっちょこちょい。
光が分からない視覚障害のある虫なのだろうか。
だとしたら僕と同じ。
いろいろと思いを巡らす。
もし視覚障害だとしたら、当然白杖はないだろうし大変だな。
エサを探すのも一苦労だろう。
虫の世界に社会福祉なんて存在しない。
虫同士の支え合い、これも考えにくいな。
生きていくの大変だろうな。
頑張れよ。
つい応援したくなる。
僕は人間でよかったな。
ふとなんとなく思ってしまう。
もうすぐ新しい今日が始まる。
いいことありますように。
(2025年8月29日)