視覚障害の先輩や仲間と夜のラーメン屋さんを訪ねた。
地元のサポーターが車を出してくださったのだ。
仕事が終わってからわざわざ来てくださった。
彼の言葉にはいつもさりげないやさしさがある。
そして郷土愛がある。
会話が心地良い。
まだ19時にはなっていない日曜日の夜だ。
地元のサポーターが並ばずに入店できるのではとおっしゃっていたが、
ギリギリセーフだった。
50人くらい入れそうなちょっと広めの店内は僕達で満席となった。
運ばれてきた尾道ラーメン、魚介のスープに豚の背油が基本らしかった。
それを感じさせる豊潤な味わいだった。
僕の故郷の鹿児島のとんこつラーメンとはまた別の風味だった。
無言で平らげてしまった。
食べ終わってから周囲の会話に気づいた。
広島弁なのだろう。
地元の言葉が飛び交っていた。
この街を訪れるのはもう幾度目だろう。
研修で知り合った視覚障害の先輩が毎年のようにお招きくださるのだ。
スケジュール調整は結構大変なのだが、できるだけ希望に添いたいと思っている。
先輩は厳しい意見もおっしゃるし、強い自己表現に苦笑してしまうこともある。
それでもお招きの電話が届いたらいつも応じたいと思ってしまう。
一途な生き方、先輩の魅力なのかもしれない。
滞在期間にこの街でこれまで出会った人達が会いにきてくださることがある。
懐かしく顔を見せにきてくださるのだ。
こういう再会は心が安らぐ。
うれしさと感謝が満面の笑みにつながっていく。
今夜訪ねてくれた愛さんは美味しそうなケーキを手土産に持ってきてくださった。
苗字を聞いてもピンとこなかったのだが、フルネームで名前を確認して、少し記憶が
蘇った。
手土産などは何も要らないのにといつも思うのだが、気持ちはやはりうれしい。
「Be my eyesもスマホにいれましたよ。」
愛さんの笑顔、チャーミングだと思った。
福祉施設のサービス提供責任者の仕事をされているらしいが、いい仕事をされている
のが笑顔から伝わる。
またいつかお会いできますように。
交わした握手にはそういう意味があるのかもしれない。
今回の尾道訪問、また楽しい時間となった。
(2025年10月27日)