視覚障害者の趣味もいろいろある。
読書、囲碁、将棋、カラオケ、楽器演奏、音楽鑑賞、料理、お菓子作り、映画鑑賞、
手芸、社交ダンス、食べ歩き、旅行、さっと思い出してもこれくらいは浮かぶ。
視覚以外の感覚を使ってのものが多いのかもしれない。
視覚障害を支援する道具を使うこともある。
例えば、将棋は将棋盤の線が浮き出ていて、駒には点字が付いている。
僕は映画を観るのが好きなのだが、副音声アプリをスマホに入れてある。
見たい映画に副音声が付いていたら、それを利用して鑑賞するのだ。
最近の映画では「国宝」は味わい深い作品だった。
視覚障害者で読書が好きという人も結構多い。
サピエ図書館というのがインターネット上にあるらしく、そこで作品のデータを自分
の端末に取り込むという方法らしい。
日本全国の点字図書館などが繋がっているようだ。
点字データも音声データもあり、利用数は音声が遥かに多いと聞いている。
誰かが読んでくださったものがあり、それを聞くという方法で読書を楽しむのだ。
点字ができる視覚障害者の数は少ない。
でも、点字での読書をされる視覚障害者は、その方が読んだという気がするとおっし
ゃることもある。
点字も音声もどちらの方法も選択できるというのは素晴らしいことだと思う。
僕は読書をしないのでサピエ図書館は利用したことがないし、そもそもその利用方法
さえ知らない。
時々、視覚障害の仲間に驚かれる。
その時はいつもちょっと恥ずかしい。
本を読むような時間がある時は寝て過ごすのだろう。
だらしない性格と関連があるのかもしれない。
それでも、自分の書いた本が仲間に読んでもらえるといいなといつも思っている。
読み終えた仲間が感想をくださることがある。
「僕も同じ経験をしたよ。」
「私も共感できるところがたくさんあった。」
とてもうれしい瞬間だ。
僕が本を書く理由、それは僕達を正しく理解して欲しいという願いだ。
仲間に評価してもらえるのは何よりうれしいということになる。
「あきらめる勇気」は昨日の時点で人気ランキング100タイトル中で5位らしい。
視覚障害の友人がうれしそうに情報を届けてくれた。
5位は凄いことらしい。
そう言われるとやはりうれしくなる。
でも、自分のことのように喜んでくれる仲間がいるということ、それが何よりうれし
いと思う。
そういう仲間に出会えたことはこれもまた僕の幸せのひとつだ。
(2025年10月22日)