柑橘類の不思議

視覚障害者の知り合いから贈り物が届いた。
突然届いたのでまさにサプライズだった。
段ボール箱を開けると香りがこぼれた。
柑橘類の香りだ。
箱の中を手探りすると大きなボンタンがいくつもあった。
他にもたくさんのネーブルが入っていた。
僕はいくつかを触り、その手触りを楽しんだ。
それから鼻に近づけて香りを楽しんだ。
僕は早速頂いた。
嗅覚の幸せと味覚の幸せが重なった。
幸せが増幅されたのかもしれない。
実は先月にも別の視覚障害者の友人からいろいろな種類のミカンが届いた。
段ボール箱を開けると同じように香りがこぼれ出したのを憶えている。
先月の視覚障害者の人と今回の人と接点はない。
僕自身がどこかで柑橘系の果物が好きだと発言した憶えもない。
不思議な感じがした。
そして気づいた。
柑橘類の香りや味には、誰かに届けたいという魔法があるのかもしれない。
いやきっとそうだ。
実際、僕は届いたミカンなどを数人の知り合いにお裾分けした。
知り合いの人達は笑顔になった。
そして勿論、渡した方の僕も笑顔になった。
(2026年2月17日)