2月、3月はお休みが多い。
学校関係も年度末、卒業、春休みなどの季節だからだろう。
お休みでも早く目覚める。
いくらでも眠れた日々、もう遥か遠くに去ってしまった。
いつものルーティンで動く。
コーヒーを飲みながらラジオのニュースに耳を傾ける。
毎回流れる戦争のニュース、ただただ悲しくなる。
無力さが自分への怒りに向かう。
ため息が漏れる。
ニュースの最後に啓蟄であることをアナウンサーが教えてくださった。
土中で冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃を啓蟄とい
うらしい。
何故か毎年、この日は気になっている。
虫ではないけれど、僕も生きているということなのだろう。
僕というよりも、僕の生命が反応しているのかもしれない。
啓蟄という言葉で前屈みになっていた背筋が伸びた。
作業着に着替えた。
少しゆったりしていて、ポケットが多くある作業着だ。
靴も動きやすい運動靴だ。
雨の日の長靴と使い分けている。
ロッカーからバケツとスコップとお風呂マットを出して庭に向かう。
小さなお風呂マットは座る時にお知りの下に敷くのに丁度いい。
百円ショップで見つけて気に入っている。
旨のポケットのアイフォンに話しかける。
「サザンオールスターズの津波を聴きたい。」
津波が終わっても、いろいろなアーチストのいろいろな曲がランダムに流れる。
毎回少しずつ違うから不思議だ。
とにかく、これで準備万端だ。
まだ少し冷たい風の中、日差しを探して少しずつ動く。
見えなくても、そのぬくもりが顔に当たると分かる。
日差しを見つけたら、そこに座る。
お日様が僕を光で包んでくださる。
幸せだなと感じる。
雑草達は凄い。
いつの間にか芽を出している。
指先がそれに触れて、また喜ぶ。
虫達が土中から出てくるというのが分かるような気がする。
「ねえ、虫さん達、僕の手が触る場所には出てこないでね。お互いに困るからね。」
ちょっと変なお願いを口に出して笑顔になる。
人休憩、手を止めて空を眺める。
怒りが蘇る。
「戦争、終わってくれ。」
(2026年3月6日)