アンギョンハセヨ

「アンギョンハセヨ」
「こんにちは。」
韓国視覚障害者協会訪日団との合同研修会が京都で開催された。
僕たちは、それぞれの国の現状や課題を話し合った。
通訳を交えての会議は、難しそうな単語を避けながら、
そして、ゆっくりとしたスピードで、
日本でのいつもの会議と比べれば、倍くらいの時間を要した。
それでも、それなりに、学ぶことも多く、
充実したものだった。
訪日団の中には、視覚障害の国会議員もいたし、若い視覚障害者もたくさんいた。
確か、ブレア政権時代のイギリスの文部大臣も全盲だったことを思い出した。
彼が、女性問題などのスキャンダルで失脚したらしいと聞いた時、
不謹慎な僕は、かっこいいと思ってしまった。
アメリカでは、視覚障害の弁護士が、千人を越えているという。
日本も、頑張らなくちゃ。
会議の後、予定にはなかったのだけれど、
誰かが、記念写真を撮ろうと言い出した。
僕たちは、カメラの人の声の方に向かって、
「キムチィー!」と笑った。
そして、僕は、隣に座った韓国の男性と、
しっかりと手を握り合った。
世界には、まだ、生きることさえ保障されない国もたくさんある。
地球サイズで、考えられる人でありたい。
それにしても、
あの記念写真、誰が見るんだろう。
なんかおかしいけど、楽しいな。
今日、訪日団が帰国する。
次は、いつか、僕達が行こう。

(2013年1月20日)