グレーのスラックスと消えた大盛りラーメンの関係

ちょっと朝寝坊したのも手伝って、慌ただしい朝となった。
急いで身支度を整え、朝食抜きでコーヒーだけを飲んで出かけた。
上の服は黒というのは判っていた。
昨夜のうちに妻に確認しておいたからだ。
スラックスは、多分黒だと思って出かけた。
これは確認するのをしなかった。
と言うよりも、日常は服の色は気にしていない。
よっぽどのことでもない限り、わざわざ確認はしない。
ほとんどの服は単色で、しかも黒やグレーが多いから、
日常生活には問題はないのだ。
研修会場に到着して、仕事がスタートした。
受講生としばらくやりとりして、愕然とした。
スラックスが明るめのグレーということが判ったのだ。
今日の予定は、夕方までの研修が終わったら仲間と待ち合わせて、
知人のお通夜に行くこととなっていた。
明るめのグレーのスラックスで出席するわけにはいかない。
僕に色がわかるかとかわからないかとか無関係に、
それが社会に参加するということだ。
僕は昼食の時間を利用して、
スラックスをはき替えるためにタクシーを使って帰宅した。
時間ももったいなかったし、お財布も、まさに無駄な出費だ。
自分が悪いのだけれど、やっぱり悔しい。
なんとか昼食には間に合ったけれど、お腹が空いていたけど、
200円アップの大盛りラーメンを我慢して普通盛りにした。
こんなことで言いたくないけど、
目さえ見えたらなぁ!
しばらくは、ラーメンを食べる度にとんでいったタクシー代を思い出すのだろう。
悔しい思いをエネルギーに変えて、きっと人間は成長します、きっとね。
(2014年8月23日)