紫蘇ジュース

京都の今日の最高気温は38度だったそうだ。
この季節の僕のリュックサックには顔を拭くための冷却シートと、
熱中症予防のためのお茶のペットボトルが入っている。
一日の活動を終えて帰宅する頃にはまさに青息吐息の状態だ。
年齢的にも体力の低下も始まっているのだろう。
帰宅して必ずパソコンと向かい合う。
メールチェックもあるし事務仕事もある。
冷房はあまり好きではないので居室では扇風機をつけて仕事をしている。
今日もいつものようにパソコンの仕事を終え、
友人からもらった紫蘇ジュースを飲んだ。
ガラスのコップに紫蘇ジュースの原液を半分近く入れ、
水道の水を足してから冷蔵庫の氷を数個入れる。
見える人はスコップみたいな道具で扱うのだろうが、
僕は素手で氷をつかんでコップに入れる。
これが一番確実な方法だ。
それからスプーンでゆっくりかき回す。
ガラスの中の氷の音が清涼感を引き立てる。
そしていい塩梅で薄まった紫蘇ジュースの色を思い浮かべる。
濃い紫から薄い紫まで、
記憶の色が変化していく。
唇でガラスのコップを感じながらジュースをのどに流し込む。
本当に爽やかだ。
プレゼントしてくれた友人のこれまた爽やかな声が蘇る。
疲れた身体と心がそっと微笑む。
暑さを楽しむ気持ちも大切だなと感じたら、
引き出しの奥に片づけていた風鈴を思い出した。
早速窓際につるしたら、
ほんのちょっとだけ囁いてくれた。
よし、明日も頑張るぞとなんとなく思って、
残りの紫蘇ジュースを飲みほした。
(2015年8月1日)