絵日記

大津港の前の広場では
夏のイベントが開催されていた。
たくさんの露店が並び、売り子さん達の掛け声が響いていた。
ステージからは音楽も聞こえていた。
真っ青な空にはギラギラの太陽が燃えていた。
琵琶湖にはたくさんの白い帆のヨットが浮かび、
琵琶湖を渡ってきた風が少しだけの涼を会場に届けていた。
僕はダラダラ汗をかきながら、
友人から手渡されたかき氷をつついた。
イチゴ味のかき氷はイチゴの味ではなかったけれど、
懐かしい甘さがした。
子供の頃、かき氷を食べた後、
赤や青に染まったベロを見せ合って笑い転げたことを思い出した。
クレパスで絵日記を描きたくなった。
青色で空を描き赤色で太陽を描き、
水色で琵琶湖を描き白色でヨットの帆を描き・・・。
想像しただけでワクワクした。
今度画用紙とクレパスを買ってこようかな。
見えなくなった頃、絵も画像も写真も意味がないと思っていたけれど、
今日は素直に描いてみたいと思った。
(2015年8月4日)