公共交通機関

桂川駅の改札口で駅員さんにチケットを見せながらお願いした。
「京都駅から新幹線利用です。
品川経由で常磐線の北千住駅までのサポートをお願いします。」
「少し時間がかかるので、構内の椅子に座って待っていてください。」
若い駅員さんの返事だった。
少し時間がかかるのは当たり前なので余裕を持って駅には到着していた。
「椅子はどこにあるかも空いているかも分からないので案内してください。」
僕は笑顔でお願いした。
こういう繰り返しで理解が深まっていくのだ。
駅員さんは快く案内してくださった。
しばらくして椅子まで迎えにきてくださった。
「すべて連絡が終わりました。
26分発の京都行の電車に乗車してもらうのでホームに移動しましょう。」
僕は駅員さんの肘を持たせてもらってホームに移動した。
「二駅だけですから立っていますので、乗車したら手すりを教えてください。」
僕は駅員さんにお願いした。
電車が到着して予定通りに乗車した。
「ありがとうございました。」
ドアが閉まる直前、僕はサポートしてくださった駅員さんに感謝を伝えた。
電車が京都駅に着くと、ホームには京都駅の駅員さんが待っていてくださった。
「階段でもエスカレーターでも何でも大丈夫です。」
僕は駅員さんの肘を持ちながら伝えた。
「じゃあ、近い場所にあるエスカレーターで動きましょう。」
これはちゃんと伝えないと、時々遠いところにあるエレベーターまで案内されること
になってしまうのだ。
新幹線の改札口で駅員さんの交代があった。
JR西日本の駅員さんからJR東海の駅員さんへのバトンタッチだ。
東海の駅員さんとホームに移動した。
間もなく予定ののぞみ号が到着した。
乗降口で、僕は東海の駅員さんから新幹線のパーサーにバトンタッチされた。
指定席に案内してパーサーがおっしゃった。
「品川駅までですね。また近くなったら迎えに参ります。」
僕はいつも窓側の指定席をとることにしている。
通路側だと窓際のお客様の出入りに気を使わなければならない。
窓側だとのんびり座れる。
それにコートをかけることもできるし、パソコンで仕事する時のコンセントもある。
東京までの2時間、パソコンで仕事をしていることが多い。
今回もそうして時を過ごした。
アナウンスが品川駅を案内すると同時にパーサーが迎えに来てくださった。
そしてデッキまで案内してくださった。
品川駅のホームにはやはり駅員さんが待機していてくださった。
東海の駅員さんから東日本の駅員さんへバトンタッチ、そうして常磐線の電車に乗せ
てもらって北千住駅に到着した。
改札口には講演にお招きくださった高校の先生と笑顔の生徒達が待っていた。
学校の授業の一環でガイドヘルパーの資格を取得した生徒達だった。
高校生で資格を取得するのは全国的にも珍しいことだが素晴らしい取り組みだ。
担当の高校生は堂々と僕をサポートしてくれた。
その光景を想像してかっこいいと思った。
無事、学校に到着した。
公共交通機関のある場所なら、基本的にどこでも一人で出かけることができる。
新幹線でも在来線でも飛行機でも同じだ。
北海道の高校にも鹿児島県の高校にも一人で出かけた。
昔はそんな訳にはいかなかっただろう。
社会が成熟してきているということなのだろう。
今日往路だけでも7名の駅員さんのサポートを受けた。
心から感謝したい。
(2020年1月29日)