4日間の広島県尾道市での研修を終えて帰宅したのは深夜だった。
荷物を片づけて、シャワーを浴びてすぐに寝た。
翌朝目が覚めてプランターを確認するために庭に出た。
記憶の方向にそっと歩いた。
足先がプランターに当たった。
僕はしゃがみ込んでそっと指先を出した。
プランターの土の上を指先が静かに動いた。
朝顔の茎らしきものを指先が見つけた。
僕はそっと指を上に動かして葉っぱを確認しようとした。
異変に気付いた。
もう一度ゆっくりと確認した。
葉っぱがない。
隣の茎も触ったが同じだった。
全滅だった。
尾道市に向かう朝、やっと芽を出した朝顔の葉っぱを確認していた。
双葉が開いていた。
帰り着いたらきっと本葉が出ているだろう。
ワクワクしながら触ったのだから、まさに愕然だった。
鳥が食べたのだろう。
まさかまさかの展開だった。
しばらく立ち尽くした。
部屋にもどっても気持ちの整理がなかなかつかなかった。
コーヒーを入れて、お土産に頂いたレモンケーキを食べた。
もみじ饅頭も頂いた。
やっと気持ちが落ち着いた。
受講してくださった人達を思い出した。
皆一生懸命に参加してくださっていた。
そんなことを考えていたら、ちょっと元気が出た。
また種を蒔こうと思った。
おいしいお土産、いろいろと効果があるものだ。
(2025年5月13日)